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KAIST、ナトリウム基盤の二次電池陰極材を開発


  • KAIST、ナトリウム基盤の二次電池陰極材を開発
  • 左からキム・ソンジュ博士、ソ・ヒョングク、パク・チェヨル、チャン・ヂュナ博士課程、イ・ヂョンヨン教授、ユク・チョンミン教授 写真提供= KAIST



韓国の研究グループは安価で寿命の長いイオン電池用陰極材を開発した。

ユク・チョンミンKAIST新素材工学科教授とイ・ヂョンヨンKAIST名誉教授の共同研究グループは8日、リチウム基盤の二次電池陰極材に比べ、安価で寿命の長いナトリウム基盤のイオン電池用陰極材を開発したと発表した。

現在のリチウムイオン電池は携帯電話や電気自動車など、日常生活と密接したさまざまなシーンで使用されている。ところがリチウムは埋蔵地域が限定されており、需要が急増して供給量が不足している状況だ。

2015年と比較して、現在のリチウム価格は3倍以上に上昇した。このような問題を解決するために、リチウムイオン電池の代替としてナトリウムイオン電池が注目されている。リチウムが地球の地表面に0.005%だけ存在することに対し、ナトリウムは500倍以上の2.6%が存在するために、供給問題を解決することができる。

しかしリチウムイオン電池の陰極材である黒鉛は、ナトリウムの貯蔵に適していない。黒鉛間の層のあいだにリチウムイオンが挿入されて貯蔵が行われるが、ナトリウムイオンを貯蔵するには黒鉛層間の距離があまりにも狭いからだ。これらの理由から、ナトリウムイオン電池の商用化のためにはこれに適した陰極材を開発することが必須だ。

研究グループは黒鉛の代わりに、ナノ板状構造を持つ硫化銅を見出した。硫化銅は高い電気伝導度と理論容量を持つ。また硫化銅にナトリウムが貯蔵される過程を原子単位でリアルタイムに分析した結果、硫化銅の結晶構造が流動的に変化して、安定してナトリウムイオンを貯蔵することを確認した。ユク・チョンミン教授は「硫化銅のナトリウム貯蔵性能は黒鉛の理論容量(~370mAh/g)の1.5倍(~560mAh/g)に達することを確認し、充・放電を250回繰り返した後も理論容量の90%以上が維持されることを証明した」と説明した。

ナトリウムイオン電池が商用化されると、地球の表面の約70%を占める海に無限に存在するナトリウムを活用することができる。これはバッテリーのコスト削減につながって、携帯電話や電気自動車、ノートPCなどの単価を約30%ほど下げることができると期待される。イ・ジョンヨン教授は「研究結果は次世代高性能ナトリウムイオン電池の開発に大きく貢献するだろう」と予想した。研究結果は国際学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」の2日付けに掲載された。
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-03-08 15:07:14




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